全国の夜空に花を咲かせる ― 花火師・菅野俊宏さんインタビュー

2025.10.14 更新 カテゴリ:BLOG

夏の夜空を彩る花火。

日本国内で花火を製造している会社は、現在わずか約130社。
そのうちの一つが、福島県川俣町にある「有限会社 菅野煙火店」です。
菅野煙火店は、1886年(明治中期)創業。

町内で唯一の煙火店であり全国でも有数の花火師が在籍しています。

手がけてきた花火はただ美しいだけでなく、技術の高さでも評価されています。
全国の花火師が腕を競う「大曲の花火」でも入賞経験があり、その実力は全国レベル。
緻密な設計と確かな技術で、観客の心に残る一発を打ち上げてきました。

今回は、 菅野煙火店 親方・菅野俊宏さん にお話を伺いました。

 

 

 

Q. 花火師になったきっかけを教えてください。

A. 5人兄弟の中で唯一の長男だったので、自然と家業を継ぐ意識がありました。

大学では応用化学を学んでいて、本当は研究者を目指したい気持ちもありましたが、「花火を継ぐ」と親に約束して、22歳で地元に戻ったんです。

Q. 花火づくりの魅力はどんなところですか?

A. 花火には「正解」がないんです。だから終わりがなく、常に探求の連続です。

一発一発が違っていて、「もう一度見たい」と思ってもらえる花火をつくれた時は、本当にやりがいを感じます。

Q. 得意とされている花火は?

A. 大空いっぱいに広がる「大玉」ですね。

星(花火の色のもと)を育て、火薬を調合して玉に仕上げるまでには数週間から数か月かかります。

手間はかかりますが、その分、観客の歓声を聞いた瞬間に苦労が報われます。

 

 

Q. 花火づくりで大切にしていることは?

A. 技術だけではなく「チームワーク」です。

火薬を扱う以上、ひとりのミスが大きな事故につながる可能性があります。

だからこそ、仲間と安全を守り合う姿勢を一番大事にしています。

Q. 川俣町での暮らしについて教えてください。

A. 川俣は自然が豊かで、里山や夜空の星が本当にきれいです。

地元でとれる野菜やお米、川俣シャモなどの食材も魅力。休日は中央公園を散歩したり、近くの山で登山を楽しんだりしています。

かつて織物で栄えた町なので、多文化を受け入れる気質があり、移住してくる人も馴染みやすいと思います。

Q. 最後に、これから花火師を目指す人へ一言お願いします。

A. 「花火が好き」と「花火を仕事にする」は別物です。

厳しいことも多いですが、それでも挑む覚悟があれば、一瞬の光で人の心を動かせる特別な仕事です。

一緒にこの世界を支えてくれる仲間が増えることを願っています。

 

 

おわりに

一発の花火に込められた職人の探求心と情熱。

全国の夜空に広がる大輪の光には、菅野さんの覚悟と、町の豊かな自然に支えられた暮らしが映し出されています。

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