2025.06.20 更新 カテゴリ:BLOG

川俣町 小綱木自治会長
斎藤正博さんにお話を伺いました!
Q.町では「ちょうどいい田舎暮らし」をキャッチフレーズに移住を促進していますが、それについて、斎藤さんは、地元住民の立場から率直にどう感じていますか?
A. 一言で移住者さんと言っても、実に色々な方がいらっしゃる。自治会長としては、地域の皆が不安に感じないような方に来てもらえたら有難いなと思います。やはり隣近所に、どこから来たのか、どんな活動をしているのか、全く分からない方が引っ越して来られると、このご時世、心配になりますよね。
一方で、移住者さんも、行く先がどんな地域で、近所にどんな住民がいるか、とても不安なのではないですか。先日テレビで移住に失敗した男性の話題を取り上げていました。その方はお仕事をしていない方で、自宅以外の居場所がないようでした。誰かが橋渡し役になって、何らかのコミュニティに入っていれば結果はまた違ったのかもしれませんね。

小綱木自治会長 斎藤正博さん
Q.移住者を迎えるにあたって、どのような心がけをしていますか?
A. 都会でも同じだと思いますが、ゴミ出しのタイミングや場所、草刈りなど地域の共同作業に関する簡単な決め事があるので、それらをお伝えして、もし困ったことがあれば聞いてもらえるような関係だけは作りたいですね。必要以上に距離を詰めたいという訳ではなく。
逆に、昔から住んでいる地元住民も、移住者さんに対して愛想の良い人ばかりではないかもしれない。移住を考えている人が町に来て、たまたまそういうクールな町民に出会ってしまうと、町の印象が悪くなって移住は実現しないだろうね。迎える側の意識も大事ですね。
Q.小綱木地区には、移住者はいますか?
A. 昔に比べて今はずいぶん人口が減ってしまいましたが、それでも地区には移住者さんが入ってきています。数年前に他県から来られた移住者の家族も、今ではすっかり地区に馴染んで、自治会の役員を引き受けてくれています。
今年の新年会にも、そのご家族の奥さんとお母さんが参加してくれて、こういう集まりが楽しいんですと言ってくれました。今の時代、そんな風に思ってくれる方がいるなんて、嬉しい気持ちになりました。旦那さんも地域の草刈りなどを手伝ってくれています。子供の数も減ってしまっていますが、その分、地域の皆で子供の安全を見守っています。
小綱木地区ではないですが、町の別の地区に最近引っ越して来られた移住者さんと話す機会がありました。なんで川俣に来たの?と聞いたら「これっていうものは無いんです。なんとなく居心地が良いから気に入ったんです。」って言われました。川俣を的確に表現しているなと思いました。
町民からしても、川俣のどこが良いか聞かれると困ってしまう。
でも、「嫌な思いをすることが少ない町。嫌なものを目にすることが少ない町」ということは言えます。
大きな観光地や温泉があるわけではないけど、のどかな里山の風景があって、コンビニ、スーパーマーケット、ホームセンター、ドラッグストア、病院、銀行、介護施設など生活に必要な施設が十分すぎるほど沢山ありますからね。町長さんもいつもニコニコしていて優しいし、町を象徴しているんじゃないでしょうか。

川俣町に流れる広瀬川
Q.移住者と地元住民がうまく交わる秘訣はありますか?
A. 福島県はとても広く、地方によっても風土や人柄が結構違うんですね。
人懐っこい地方もあれば、懐に入るまでにとても時間がかかる地方もある。
川俣町のある中通り・県北地域は、その中間ぐらいだと思います。良く言えば癖がなく、悪く言えば中途半端かもしれませんが、都会から来た人が、人付き合いにおいてびっくりするようなことは少ないはずです。やさしくて控えめな人が多くて、いわゆる根性の悪いような人はいませんね。
秘訣ですが、お互いの第一印象が非常に大事だと思います。最初に出会ったときに、お互いに目と目を合わせて、笑顔で挨拶をして、ほんの少し情報交換ができれば、もうあとは大丈夫。「こんにちは!どこから来られたんですか?」とか「先週引っ越してきたのでよろしくお願いします」とか、最低限の会話で良いんです。お互いの素性が全く分からないと、どんどん疑心暗鬼になって良くないことばかり考えてしまいますが、ほんの少しお互いに人となりが分かるだけで、一気に心が穏やかになり、移住者さんも地域の人も平和に暮らせると思います。
地元住民は、決して「良い人に来てほしい、素晴らしい人に出会いたい」なんて思っていません。ただ、ニュースで見るような不審な人でなければそれで良いんです。だって自分たちも皆、普通の人ですから。
普通の人かどうか、最低限の挨拶で確かめたいだけなんです。
きっとそれは移住される方も同じではないですか。人生において一大決心をして移り住んだ場所なのに、隣に変な人が住んでいたら落胆しますよね。近所の住民が普通の人であれば良いなと、そう思っているのではないでしょうか。お互いに普通の人かどうかを確かめたいだけなので、目を合わせて笑顔で挨拶をして、ごく簡単に情報交換できれば、心配は晴れてすっきりしますよね。移住者さんと地元住民がうまく交わる秘訣は、初めて会ったときの挨拶と簡単な情報交換、それだけだと思います。口数が少なくても良いんです、人付き合いが苦手な人でも一向に構いません。
私たち迎える側も、移住者さんに見られているという意識が大事ですね。
Q.ちなみに、斎藤さんがもし移住するとしたら?
A. 移住するとしたらどこが良いか、難しいですね。北海道は好きですが冬の寒さに耐えられそうにない。南の方も良いけど、なぜだかピンと来ない。やっぱり川俣が良いですね。何が良いか聞かれたら、やっぱり困りますが。笑
