川俣といえば、やっぱりコスキン!中南米音楽を愛する人たちの「心のふるさと」コスキン・エン・ハポンへようこそ!(後編)

2023.11.08 更新 カテゴリ:BLOG

コスキンに青春を燃やす高校生に聞いてみた

前編では、2023年8月11日から13日にかけて川俣で開催された日本最大級のフォルクローレの祭典コスキン・エン・ハポン(コスキン)の体験レポートをお届けしました。

その取材のなかで、川俣の子どもたちは小学校4年生になると全員ケーナ(中南米の縦笛)を習ってこのコスキンを目指すというウワサを聞きつけた私。ぜひ話を聞いてみたいと思い、コスキンに参加している高校生に突撃しちゃいました!

 

本番前の忙しいさなかに取材に対応してくれたのが、コスキンのオープニングでコスキンマーチを披露した「アミーゴ・デ・川俣」に所属する、高校一年生のおふたりでした。それではインタビュー、どうぞ!

 

――髙野友花(たかのゆうか)さんと結城橙哉(ゆうきとうや)さんです。よろしくお願いします。

 

ふたり よろしくお願いします。

――おふたりの担当楽器を教えてください。

 

髙野 私はケーナを担当しています。

 

結城 僕はケーナとボンボを担当しています。ボンボは子牛の皮を張った打楽器で、リズムの要となる重要な楽器です。

 

――川俣の小学生は全員ケーナを習うと聞きました。本当なんですか?

 

髙野 はい。4年生の授業でケーナが配られて、ほとんどの人が小学校を卒業してもなにかのかたちでフォルクローレにかかわっています。ダンスを習う人たちもいますが、私はケーナの特徴的な音色が好きなので演奏のグループに所属しています。

 

――コスキン、すごく盛り上がっていますが、魅力はどんなところですか?

 

結城 フォルクローレの演奏を通して世界中の人たちと交流できるところです。衣装も楽器も日本ではあまり見ないものだと思うので、見た目も楽しんでほしいですね。

 

髙野 他のイベントに参加することも多いのですが、コスキンはそのなかでも一番大きな舞台です。みんなでこの日に向けて練習しているので、集大成として楽しみたいと思っています。

 

――(取材日は11日)明日も明後日も演奏すると思いますが、意気込みをお願いします。

 

結城 コスキンは日頃がんばった成果を披露できる場だと思っています。去年までの3年間はお客さんの前で演奏できなかったのですが、今年は見てくれる人がたくさんいるので、練習の成果を発揮したいと思います。

髙野 高校生になってからみんな忙しくて合わせられる機会も減ってしまったのですが、毎日個人練習をしたり家族に聞いてもらったりして頑張ってきました。この場所でみんなで演奏できることに感謝しながら、楽しく演奏したいと思っています。

 

――最後に、おふたりにとってのコスキンとは?

 

結城 僕たちの演奏から世界中にフォルクローレが広がってくれたら嬉しいです。イベントの運営や裏方にも興味があるので、高校を卒業してもなんらかの形でコスキンには関わっていきたいと思っています。

 

髙野 川俣にはたくさんいいところがあるけど、川俣といえば、やっぱりコスキン。グループを引退しても楽器には触れていたいし、コスキンはずっと大好きです。

人々の心のふるさとがそこにはあった

いやあ、青春ですね…。おふたりとも、高校の部活動が終わってから練習に駆けつけて、この日のために努力してきたんだそうです。家で練習しているとご家族から「高音をもっと響かせて」なんて指摘が入るのだとか。ケーナを聴く側も聴き慣れている川俣の日常。なんだかとっても素敵ですね。

 

コスキンの開催事務局の事務局長であり、お二人が所属するアミーゴ・デ・川俣の指導役でもある齋藤寛幸さんも「コスキンは演奏する人、会場を準備する人、観客もそうですが、フォルクローレに関心を持った子どもたちを温かく見守るご家族によって支えられていると言っても過言ではないんです」とおっしゃっていましたが、会場内で子どもたちを見つめる大人の方々の視線にもそれを感じることができました。

 

そして何より、フォルクローレが好きで、ケーナが好きで、コスキンが好き。髙野さんの「川俣といえば、やっぱりコスキン!」と言ってくれたときのキラキラした笑顔が印象的でした。

 

中南米音楽に浸りながら異文化を学び、人々と交流し、地元愛を育む3日間。愛好家にとっては年に一度のフェスティバルであり、川俣の若者にとっては青春の舞台のひとつであり。

 

たったひとりの情熱から始まったこのイベントは50年の月日を経て、たくさんの人にとっての「心のふるさと」として、なくてはならない存在になっているんだな、と強く感じました。

 

ひとつ心残りを挙げるなら、コロナ禍以前は行われていた「コスキンパレード」が、今年は開催されませんでした。形も大きさもさまざまな中南米の楽器を手に、町を練り歩く色とりどりの民族衣装の人たち。見てみたいし参加もしてみたい!きっと来年は開催されますよね?ね?

 

来年また体感できる素晴らしい演奏や今年以上の町の盛り上がりが、今から楽しみでしかたありません!

★★★関連動画もぜひご視聴下さい★★★

 

取材:かわまた暮らし編集局員(東京支部スタッフ)
城田 晃久(しろた てるひさ)

群馬県高崎市出身、東京都練馬区在住。フリーター、広告代理店勤務を経てフリーランスのライター、ディレクターとして活動。依頼が多い分野はIT系と医療系。書きたい分野はスポーツ系と旅行系。趣味はサッカー観戦でW杯は現地観戦派。Jリーグザスパクサツ群馬のサポーター。お笑い芸人、俳優としても活動中。

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