2024.10.11 更新 カテゴリ:BLOG
皆さんこんにちは。
このブログでは川俣のいろいろな情報をご紹介していますが、「川俣に移り住むって、実際どんな感じなの?」という部分をお伝えし切れていないのではないかという懸念がありました。そこで、今回は移住された方に「川俣ってどうなんですか?」と単刀直入にお話を聞いてみることにしました!
ご紹介するのは、2023年の夏から川俣にお住まいのファンコーニ夫妻です。
マイケルさんと菜美子さんはこの秋、川俣で薬膳カフェをオープン。町の皆さんとの交流も活発で、とにかく川俣ラブ! なおふたりです。その愛の源とはいったい…?
(開店準備中の9月19日に取材しました)
薬膳カフェをオープン!その名も…
――こんにちは。よろしくお願いします。
菜美子さん よろしくお願いします。
マイケルさん コンニチハ!よろしくお願いします!
――このお店は10月3日にオープンなんですよね?(取材したのは9月)お店の真ん中にある素敵なカウンターはマイケルさんの手づくりとお聞きしました。
マイケルさん そうなんですよ! 使わなくなった木材をもらってきて、高さを合わせて、切って、貼りつけて。お店づくりはとっても楽しかったです。でも思ったより時間かかったね(笑)。そうそう、お店の名前が決まったんですよ!それは…私じゃなくて菜美子さんから(笑)。
菜美子さん あはは。「薬膳カフェ BONCHI TARO」です。
――ぼんち…って、盆地のことですか?
菜美子さん そうです。川俣でお店を出させてもらうことになったので、この地域の特徴を表したいと思って名づけました。
マイケルさん そう。私たちはここが大好き。だからリスペクトの気持ちを表現したいねって話してたんですよ。菜美子さんから「BONCHI はどう?」って提案されたときには「それいいね! 最高!」って、すぐに賛成しました。
菜美子さん TAROは、語呂のよさと元気に走り回る川俣の子どものイメージから。キャラクターとしても思い浮かべやすいかなって。
――確かに親しみやすい名前ですね。薬膳カフェということですが、どんなお料理が食べられるんですか?
菜美子さん 薬膳といっても“ゆる薬膳”なんです。「体調に合わせて無理なく体のためになるものを摂る」という薬膳の考え方を取り入れた、和、洋、中のお料理を出す予定です。お粥とか、季節のお野菜を使った料理、お豆腐のマフィン、あとは…
マイケルさん コーヒーもね!
菜美子さん そう。夫がイタリア系の家系なのでコーヒーとパンは欠かせないということで、全粒粉のパンを使ったサンドイッチも。夜はお酒も飲めるようにしようと思っています。食材はなるべく川俣産のものを使う予定です。
マイケル 野菜とかコーヒー豆とか、全粒粉とかね。川俣で知り合った人たちが卸してくれるという話も進んでるんですよ。町のみんなが集まってゆっくり寛げる場所になればと思っています。
――とっても楽しそうなお店! 開店が待ち遠しいです。
まるで日本じゃないみたい。第一印象から川俣が大好き!
――おふたりは1年半ほど前に移住されたということですが、川俣に住もうと思ったきっかけを教えてください。
菜美子さん 私たちはもともと神奈川県茅ヶ崎市に住んでいました。食器のオンライン販売の仕事をしていたのですが、仕事場が手狭になってしまったので引越先を探すことになったんです。
マイケルさん 茅ヶ崎はちょっと僕たちのライフスタイルには合わなかったね。観光地として有名で景色も綺麗なんだけど、なんていうか…人が多すぎる。茅ヶ崎の前に住んでいた金沢は自然が多かったですから、ふたりとも自然の多い場所に戻りたくなっていました。
菜美子さん それからいろいろな地域を検討したんだよね。
マイケルさん そう。千葉や静岡にも行ったね。あと埼玉? それで最後に福島。
菜美子さん 福島は候補には入っていなかったのですが、町や県の支援が手厚いという話を聞いて、試しに福島駅の周辺を探してみたら、仕事場の条件にぴったりの物件が見つかったんです。それで、その近場で住まいを探そうということで調べてみたら川俣町がヒットして。
マイケルさん そうそう。菜美子さんがGoogleマップで見つけたんだよね。それで役場に電話したら「すぐ来てもらっても大丈夫ですよ」って。「すぐ来ていいって! どうする?…いっちゃおうか!」って。
菜美子さん 飯坂地区にある移住体験住宅に、2泊かな? 泊まらせてもらったんです。
マイケルさん とっても素敵な施設で、本当はそこに住みたかった(笑)。
菜美子さん そうそう(笑)。福島市から車で向かう道すがらの景色も気に入ったし、山木屋の雰囲気も気に入りました。それで何軒か空き家を見させてもらって…。
マイケルさん 帰る頃にはふたりとも「もう帰りたくないね」って(笑)。「ここいいよ! ここに住みたい!」って。
――第一印象からそんなにフィーリングが合ったんですね。
菜美子さん 山に囲まれた場所に住んだことがなかったのですごく新鮮だったのと、なんといっても夜の星の綺麗さ! これまで経験しなかったことがたくさんある場所だと感じました。
マイケルさん あとは、人がすごく優しかった。明るいし、向こうから話しかけてくれる。日本ではあまりお店の人が話しかけてくることはないでしょう? それが川俣では「あら、どこから来たの?」って。なんだか日本じゃないみたいって感じて、それがよかった。
川俣では自然体でコミュニケーションができます
――すぐに移住を決めたんですか?
菜美子さん はい。移住体験で紹介された空き家のなかから住まいを決めて、それからは早かったですね。役場の人と相談しながら、起業支援金を利用できるようにオンラインショップとこのお店の計画を立てて。お店の家賃補助もしてもらえることになりましたし、町からの支援はとても手厚いと感じました。
マイケルさん 役場の人たちは最初からずっと優しかったね。普通役所ってあんまり行きたくないじゃないですか。いつも忙しそうだし、対応も事務的だし、邪魔してるみたいな気持ちになっちゃう。でも川俣町役場に行くのはとっても嬉しいですよ。なぜなら皆さんいつも笑顔で、フレンドリーだから。
菜美子さん あなたがいつも明るいからじゃない?
マイケルさん それもあるかもしれない(笑)。でも役場の人だけじゃないよ。初めて行ったコンビニの店員さんが「雨が降りそうだから気をつけて」って声かけてくれたのはびっくりしたね。駐車場の大家さんもそうじゃない?
菜美子さん いつも野菜を分けてくれるのよね。両手いっぱいの野菜(笑)。
マイケルさん あとゲンさん!
菜美子さん そうそう。班長のゲンさんはいつも気にかけてくれて、ゴールデンウィークにはバーベキューに誘ってくれたんですよ。
マイケルさん とっても豪華だったよ! でも私たちは「なにも持ってこなくていいから」って。運転もしてあげるからお酒飲みな! って。
――他にもこの1年間で交流を持った人はいるんですか?
菜美子さん もちろん。山木屋で全粒粉をつくっている酒井さんは、いろいろな町の活動に参加されていて、全粒粉を卸してくれるだけじゃなくていろいろな人と引き合わせてくれました。農家の方を紹介してくれて、そちらの野菜を使わせてもらえることになったり、春日神社のお掃除をするボランティア活動に誘ってくれたり。あと仲よくしてくれてるのは、コーヒーの焙煎をやっているひろきさん、Kawamata-BASEのいつきくん、このお店の裏にある居酒屋「絆」のマーくん…
マイケルさん お向かいのお弁当屋さんも、その向こうの本屋さんも優しいよ。私がここで作業してると「どう?進んでる?」って。作業を手伝ってくれることもあったね。
菜美子さん 夫は社交的なのですぐに友だちができるのですが、私はどちらかというとひとりでいる方が気楽に感じるタイプだったんです。でも川俣に来てからは自然体でコミュニケーションができているような気がします。自分の活動をしているとそこから町の人との輪が広がるので、活発だった子どもの頃を思い出すような、不思議な感じですね。
冬は寒かった…でも川俣暮らしは楽しいことがいっぱい!
――すっかり川俣に馴染んでいるおふたりですが、大変だったこともあるんじゃないですか?
ふたり 冬は…寒かった!(笑)
菜美子さん なぜなら我が家にはエアコンがないんですよ(笑)。
――えー! エアコンなしで川俣の冬を越したんですか?
マイケルさん ストーブはありましたけどね。金沢で寒さには慣れているつもりだったのですが、茅ヶ崎に住んでいるあいだに体が忘れちゃったみたい(笑)。
菜美子さん 今年の冬はちょっと考えないとね。
マイケルさん そうだね。でも暑さはちょっと慣れたかな。去年は「こんな暑さはありえない!」と思ったけど、今年はそうでもなかったよ(笑)。
――生活の変化に戸惑いはありませんでしたか? 都会から引っ越してくると不便なことや寂しいこともあるのではないかと思うのですが。
菜美子さん 最初はそういうこともあるかと思っていたんです。福島市の市街地まで行って食事することが増えるのかな、とか。でも川俣に住んでいると町のイベントやコミュニティで集まる機会が多いし、しょっちゅう他の人の家にお邪魔して食事したりお茶したりするので、そのぶんあまり外食しなくなったんですよね。
マイケルさん 私たちはもともと「週末はどこかに出かけよう」みたいな暮らしではなかったですから、川俣での暮らしが合っているのかもしれません。
菜美子さん 今の時代、パソコンがあれば仕事はどこでもできますしね。不便を感じることはないですよ。
――心から川俣での暮らしを楽しめているんですね。
マイケルさん 散歩がとっても楽しいね。自然がいっぱいあるから。見たことのない鳥とか、虫とかが見られますよ。そうそう、コスキンも楽しかった。あとはこの前の…なんだっけ?
菜美子さん からりこフェスタでしょ? 楽しかったね。川俣のお祭りは、つくられたイベントに感じないというか、私たちが子どもの頃にワクワクしながら通っていたお祭りに雰囲気が近いような気がします。来年はこのお店でもなにか協力できるかもしれませんね。楽しみです。
――これから川俣でどのような暮らしを営んでいきたいですか?
菜美子さん 川俣に来てから「ありがたい」と思うことがたくさんあって。その感謝の気持ちを少しずつでもお返しできたらと思っています。例えばオンラインショップで川俣の特産品を売って、認知度を高めて、イベントにつなげるみたいなことができたらいいですね。
マイケルさん お返し、ギブバックね。川俣には自然もたくさんある。星もきれい。みんな優しい。野菜もおいしい。オールOKの町ですよ。私たちは川俣が大好きです。
菜美子さん 川俣は、私たちが子どもの頃の風景や文化がまだ残っている場所だと思います。大きな町で心が疲れている人は、ちょっと遊びに来るだけでも心が癒されると思いますよ。
マイケルさん そのときはぜひ、私たちの「薬膳カフェ BONCHI TARO」に遊びにきてくださいね!
――素敵なお話ありがとうございました!
※取材後の2024年10月3日にお店がプレオープン。10月17日のグランドオープンまでは、11~18時営業とのことです。(木、日はお休み)
かわいいロゴマークはこちら
お皿も素敵な「滋養強壮!身体の芯から元気になる薬膳がゆセット」
奥から通りを眺めるとやわらかい光が差し込んで、とても居心地が良いです。
お店の場所はこちらです。
福島県伊達郡川俣町鉄炮町33 1F
https://maps.app.goo.gl/ujiDkCzUFY5wdMmz7
取材:かわまた暮らし編集局員(東京支部スタッフ)
城田 晃久(しろた てるひさ)
群馬県高崎市出身、東京都練馬区在住。フリーター、広告代理店勤務を経てフリーランスのライター、ディレクターとして活動。依頼が多い分野はIT系と医療系。書きたい分野はスポーツ系と旅行系。趣味はサッカー観戦でW杯は現地観戦派。Jリーグザスパクサツ群馬のサポーター。お笑い芸人、俳優としても活動中。